有機ガス発酵装置にアメリカから助成金
2004.6.29(火) The Times Of India
プネ在住の科学者A.D.カルヴェ(Karve)氏が、アメリカ合衆国環境保護エージェンシー(United States Environmental Protection Agency...USEPA)から、最新の発明品であるコンパクト有機ガス発酵装置におよそ600万ルピーの助成金を受けることになった。
特にインドの辺境地域のために開発されたこの発酵装置は、でんぷん質や糖質を含む生ゴミからメタンガスを発生させ、それを調理用燃料に使用できるようにしたもの。
でんぷん質ゴミとして、雨で被害を受けた穀類の粒、バナナの皮、非食用の樹木の種子、非食用油かすなどが基本原料になって発酵装置を作動させる。
カルヴェ氏によれば、1kgの糖質またはでんぷん質を使用して、800リットルの有機ガスを発生させることができ、これは6人家族1日分の燃料に相当する。
円柱形(ドラム形)をしたこの発酵装置は直径60cm、高さ170cm、容積は400リットル。
でんぷん、糖といった有機原料からガスが発生するまで約6時間かかるとされている。
小型サイズであることから、辺境内部の地域の台所に充分対応するだろう。
カルヴェ氏のNGO、「特定辺境技術基金(Appropriate Rural Technology Institute...ARTI)は8年来、有機原料を使用した調理用の改良型燃料の開発を続けてきた。
2002年2月にはカルヴェ氏、農業廃棄物から生成した練炭と、それを燃料として使用した調理器具を開発したことにより、栄誉ある「再生可能エネルギーのアシデン賞2002」を受賞した。
2003年1月には、ARTIはロンドンのシェル基金(Shell Foundation)から、マハーラシュトラ州西部において、改良型有機ガス燃料とそれを使用した調理システムの商品化を実現したことから、1500万ルピーの助成金を受け取った。
現在、USEPAはARTIとパートナーシップを結び、コンパクト有機ガステクノロジーの一般化と商品化を目指して助成金を組んでいる。
このプロジェクト達成には2年間を目標とされ、今年9月にUSEPAの基金が到着する見込み。
カルヴェ氏の最新の発明によれば、家畜の糞を利用した有機ガスプラントの建設を計画中であるという。
このプラントは、40kgの家畜糞から1000リットルのメタンガスの生成が可能である。
しかしながら現段階では、ガスの生成に40日もかかってしまうそうだ。
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農業大国インドとリサイクル有機ガス燃料の組み合わせは、将来を見据えても良いサイクルだと思います。
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