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インドをもっと知ろう! |
「光」なきところに光あり
2005.6.28(火) ソース不明
ブドゥワール・ペス(Budhwar Peth)、ジョゲシワリテンプル・ロード、ヘマ・サネ(Hema Sane)さんが暮らす、トタンと木の屋根のシンプルな2階建て家は、5,000平方フィート(約465平方メートル)の敷地内にあり、周囲で遊ぶ鳥のさえずりにより道路の喧騒からも遮断されている。
もう一つ異なること、それは電話線、電力ワイヤ接続からも隔絶されていること。
ワイヤ、電気、電話接続すらない。
しかしやさしい口調のサネさんは、気にしている様子もなく終始おだやかで、むしろ穴ぼこだらけの市内道路についての問題を指摘するほど。
「異なる境遇にも順応しようと試みることは必要。私は子供の頃から電気のない暮らしを送っています。不満をぶちまけたことなんかないですよ。」サネさんは語る。
大学の植物学学部長を2000年に退職後、弟のスハズさん、3匹の猫と2頭の犬と暮らす。
その他一般の人の暮らしとはかなり異なる生活に、本人たちはまるで気にする様子がない。
「ここにはかつて、4階建ての建物がありましたが、1951年に崩れてしまいました。以来この土地の1区画で、電力から忘れ去られた生活を送っており、またそのことにすっかり慣れてしまっています」サネさん。
もちろん、サネさんは電気の使用に反対しているわけではない。しかし自分自身の生活には、必要ないと考えているのだ。
「子供の頃からこういったライフスタイルに親しんできましたから、洗濯機やコンピューターの広く使われるこの時代ですが、私の家にはあえて要らないと考えています」
忙しい教師でもあるサネさんの家にはしょっちゅう訪問者があるが、誰一人として気にする人はいないようだ。
「インドから海外から、調査研究者が訪問し、大抵夜の9時、10時ぐらいまで滞在していきます。まあ電気がないことで不平を漏らす人はいませんね。」
植物についての本数冊の著者でもあるサネさんは、現在も相当量の関連書籍を読書、執筆することが多い。
「最近、本2冊の執筆を終え、現在3冊目の仕上げをしているところです。日中メジャーな部分を書き上げてしまいますから、夜はランタン1つで足りるんですよ」
面白いエピソードも。
「これまで数回、電気料金の請求書を受け取ったことがありました。そして2回、州の電力局が『支払い滞納』のため『電気を止め』に来ました!始めに電気を接続して、それから切断してくれと言ってやりましたよ!」
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自分の器の小ささを感じます。
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