貧しい層の人々へ医療の手
2004.4.26(月) BBC
BBCニュースオンラインは、インドで高齢の貧困層の人々に、無料で医療サービスの提供をしているニーラム・マキジャニー(Neelam Makhijani)氏を取材した。
インド国内には60歳以上の人口が7500万人いると言われ、そのうち90%の人々は貧しさなどの事情で適切な医療を受けられない状態にいるという。 |

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このチャリティでは現在55台の医療車を辺境の地域やスラムへ出動させ、こういった人々への医療サービスを、無料で玄関先まで届ける努力をしている。
ヘルプエイジ・インディア(HelpAge India)プログラムで働くニーラム・マキジャニ氏は、
「2020年までに(辺境地域への医療充実)、という政府の言葉を待っていたら、いつになるかわからない。」と嘆く。
デリーとボンベイに小規模診療所を設立したが、そこへ行ってくれる医師が見当たらず、看護婦も、十分な医薬品も間に合わない状態という。
「ボンベイの巨大スラムは、あるヨーロッパの都市よりも面積が広い場合があると言われている。病院を開設すれば、数日で長蛇の列ができるだろう。」
辺境地域への医療状況は、ここ約30年でずいぶん改善されてはいるものの、大都市との大きなギャップはまだまだ埋めきれていないのが現状。
そこで、主に辺境地域に住む医療を待ち望むお年寄りのために、毎週決まった日にやってきて健康診断や治療を施す、移動式医療車が巡回し始めた。
こういった地域には風邪、発熱、糖尿病、高血圧などの症状のほか、衛生状態の悪さからの腹痛、肺痛を訴える人が多い。
ここで使われる薬は国際的に認定のある確かなもので、お年寄りには無料で提供されてる。
マキジャニ氏は、
「この年齢の方々は、治療よりも痛みの緩和のほうを望んでいる。」とコメントする。
またチャリティ団体は、毎年平均2000件の手術も行っている。
「お年寄りの多くは、病気の治癒をほとんど期待しない。年をとれば盲目になり、死ぬものだとあきらめている方が多い。」
マキジャニ氏。
また辺境の地域に住む人々の経済状態を少しでも改善するための援助も行われている。
そこではカーペットやスパイスなどの製造作業が支援されている。
ほとんど身動きの取れなくなったお年寄りについては、生活上で必要な基本的な物品、ヘルプの援助も行っている。
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インドは都市だけを見た場合と、小村部の現実との違いがあまりにも大きいです。
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