ラジニカーント政界へ進出か
2004.4.24(土) BBC News Online correspondent in Tamil Nadu
タミル映画のスーパースターで、現在はドラマなどでも活躍しているラジニカーント(Rajinikanth)氏が、現在インドで行われている総選挙にスパイスを添えるべく立候補をしていることで、現地では話題を集めている。
事実、54歳になったこのフィルム(映画)スターの政界進出は、「映画狂の州」民衆たちの注目の的。
そこでラジニカーント氏はこういったファンたちに、彼の前回の作品についてけなした政党PMK党のSSラマドッス氏を負かすようにそそのかしているという話も。 |

photo
from BBC
|
ところでタミル・ナードゥ州の選挙模様はカーストによってはっきりと2つに分かれるという。
州内人口7000万人のうち、20%の人々が上述のPMK党を支持しているとされる。
一方ラジニカーント氏は、100を超える主演実績による絶大な数のファンらを味方につけ、「タライヴァル(リーダー)」と呼ばれている。
遠く離れた日本でも、彼の映画は数々のヒットを生んでいる。
彼の役柄はいつでもヒーロー、それは前回の作品「ババ(Baba)」でも変わらない。
そこでラマドッス氏が登場し、ラジニカーント氏叩きを始めたわけである。
ラマドッス氏は医師から政治化へ転身、自ら「尊敬すべき人物」としてのプライドを持っている。
彼は、アクションフィルム撮影現場で多くの人を泣かせている、としてラジニカーント氏を非難。
スーパースター・ラジニカーント氏は彼のこうした批判に対する抵抗策を約2年かけて考え、ラマドッス氏の反対陣営となる、タミル・ナードゥ州知事ジャヤラリタ(Jayalalitha)氏率いるAIADMK党のサポートを始めた。
今回の立候補も、AIADMK所属議員として出馬する。
「もしジャヤラリタが権力の座へ戻ったら、神でもタミル・ナードゥを救うことはできない。」
ラジニカーント氏談。
また、ラジニカーント氏政界進出の目的の1つとされているのが、深く2つに引き裂かれたこの州の政治地図に、代替勢力をもたらすこと。
「いつ、どこで、どのように――誰も知ることはない。しかしわたしが動き出す時、それはまさにその時だ(有名な映画「ムトゥ」の中のセリフ)。」
ラジニカーント氏の大きな狙いは、ラマドッス氏対抗と共に、もつれ合うカーストの枠を超えた政治を目指すものである。
彼は支持者を獲得し、見事当選することができるのか?
「いくらファンが投票するといっても、その家族全員が足並みを揃えるとは思えない。」
という冷ややかな意見もある。
ところでタミル・ナードゥ州の政治と映画産業の間には、密着した関係があるともされている。
州内政党は、フィルムスターたちを広告活動目的に採用している場合もある。
*********************
日本でも有名なタミル映画スターの政界進出、投票しますか?
|