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NDA士官候補生のダイニング拝見
2004.7.22(木) Pune Newsline

キッチンの片方では玉子焼き用の4000個の卵が泡立てられ、もう片方では12000枚のトーストが焼かれ、お腹を空かせた2000人の士官候補生の朝食の準備があわただしく繰り広げられている。
コーヒー、紅茶、その他はお好みでどうぞ。
ここはプネ近郊カダクワスラ(Khadakwasla)にある国立防衛士官学校National Defence Academy...NDA)の食堂。

特別ディナーの日、来賓のある日などは、生バンド演奏が聴ける。
アジア最大のテーブル席のダイニングホールは、まさにロイヤルな雰囲気。

シャンデリアで装飾されたビルマチーク材のホールインテリア、ガラス製および銀製の食器類。
給仕はいかなる注文にも即座に答えるように、常に定位置に待機する。
ゆったりした高い天井を縁取るのは、ムンバイの芸術学校生徒たちが彫り上げた、インド民族舞踊の彫刻で飾られたアーチ。
こんな夢のような空間で、NDA士官候補生に提供できるものは、最高のものでなくて一体何が?

厳しい訓練に耐えうる鍛え抜かれた彼らの食欲を満たすため、64人のコックが毎食インド、コンチネンタルいずれの料理にも、とびっきりの腕を振るう。
総料理長のサイリル・ザビエル氏は、「チームワークが命」と、28年間守ってきたこのキッチンについて熱く語る。

果物、野菜、肉などを保存するための巨大な冷蔵庫がキッチンを支える。
「パンからデザートまで、すべてこの場で調理されます。まさに計算しつくされた仕事。近い将来ロティメーカー(チャパティの生地をこねる機械)と、1万器におよぶ食器類を洗浄するための、太陽光で稼動する食器洗い機が導入される予定で、我々の仕事を補助してくれるでしょう。」

当時1500人の士官候補生を対象に、1949年に建設された。
新たに増えた500人に対応するため、1999年に増築されたこのダイニング、数々の要人や世界各国からの貴賓が晩餐についた、由緒ある場所でもある。

1961年5月、パンディット・ジャワハルラル・ネールが、スターターのアーモンドスープからデザートの舌もとろけるアイスクリームを堪能、1956年12月1日、当時中国首相だった周恩来がタンドゥーリ・チキンに舌鼓を打った。

メニューはまさに無限、こんなキッチン運営するの大変では?
ザビエル氏は笑顔で、
「何といっても食事を提供した士官候補生が、立派な士官となって帰ってきた時、一番感動します。また、世界中からやってくるお客さまを、インドの味でご満足させることができたとき、わたしは大変幸せです。」
昼食用の300kgの小麦粉から今まさにチャパティをこねている、16人のコックに目を光らせながら話した。

こんな豪華なダイニングを1955年製のヴィンテージものの発電機が、陰で支えている。

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NDAに入学するためには、頭のよさはもちろん、将来軍の最前線で立派に職務を果たすための強靭な体力、精神力が要求されます。入学後、実家に帰省できるのは1年に1度、それ以外では家族との面会、自由に電話で話すことも許されません。休日、プネ市内で見かけるNDAの生徒は短髪、制服のままなのですぐにわかります。髪の毛を伸ばすこと、学校の敷地外で制服を脱ぐことも許されないのです。将来インド国土を守るため、最前線に送られることになる彼らには、NDAにおいての授業料等費用は一切必要なく、国が全て保障しています。この豪華なダイニングも、厳しい訓練に耐え抜き、立派な軍人になるために学んでいる彼らのために与えられた特権なのでしょうか。


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