ライズさんの26分間
2005.3.20(日) Pune Times
16日に米国務長官コンドレッザ・ライズ氏がデリーを公式訪問した際、午前11時15分より41分までのわずか26分間の自由時間にフマユン廟を案内した、ダンサーで歴史家のナヴィナ・ジャファ(Navina Jafa)さんによる手記の要約。
フマユン廟の神秘性に、すっかり虜になっていらっしゃるようでした。
わずか26分間のタイムトリップとでも申しましょうか、歴史をご説明する間の彼女はデリーの遺産を体全体で受け止めているようでした。
ことに、この廟があの有名なタージマハルのモデルになったということを申し上げましたら大変驚かれた様子で、「今回は時間がなくて無理だったけど、是非(タージマハルを)訪れたいと思っていたのよ」とおっしゃいました。
廟をご見学になるライズ氏に、イスラムのスーフィズムとバクティという信愛の思想をご説明します間、特にムガル細密建築に非常に感じ入っておられる様子でした。
また短い間にできるだけ多くの知識を吸収されようとしておられる姿勢が非常によく伝わりました。
「この散策が、スピリチュアルで歴史に残るものとお感じいただければ光栄です」と申し上げましたところ、微笑まれていました。
ライズ氏は廟の情緒的な審美主義、建築学的幾何模様、光の効果などに非常に興味を示されておりました。
最も心を強く惹かれていらっしゃったご様子だったのは、フマユン廟の聖室に到着した際、廟内に残る韻文や光の差し方などをご覧になった時でした。
思わず私の手をつかみ、「とても平安で美しいわ。案内してくれて本当にどうもありがとう」とおっしゃいました。
かなり深くご自分の中に入っていかれた様子で、きっとこの時のことを彼女は一生覚えておられるのではないでしょうか。
ライズ氏はモスク、Dargahというイスラムの墓などについて、もっと知りたいとおっしゃいましたので、この近くにあるニザムッディンの墓や、フマユン廟に関係の深かった巡礼者たち、そしてスーフィズムがイスラムとヒンドゥーをつなぐために果たした役割などについて説明いたしました。
最後にライズ氏は、
「平和を願えば必ずそれは実現する。美しい巡礼でした。またインドへ帰って来たいわ」とのお言葉を下さいました。
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忙しくても本当に頭が良い人は、わずかな時間も余さず知識を吸収していくんだなと実感します。
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