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ボンベイドリームがブロードウェイ上陸
2004.4.20(月) Daily Times

インドのカースト問題を描いた初めてのミュージカルとして話題の、ボンベイ・ドリームBombey Dreams)が今月29日、ブロードウェイにて開演する。
ロンドンでの14週間の公演で大赤字を出していることから、アメリカ人観衆向けに大幅にアレンジされての仕切り直し、ということになるだろう。

ロンドンでの公演をとり仕切った、アンドリュー・ロイド・ウェッバーAndrew Lloyd Webber)氏によれば、ロンドン版公演は6月13日に打ち切り、大幅に改善されたブロードウェイバージョンを来年再公演する計画をしているという。

ブロードウェイ製作班は、台本作家に新しくトーマス・メーハン(Thomas Meehan)氏を採用し、インド文化固有名詞をかなり削除、イギリス人やアメリカ人観衆にもっと親しみやすい内容に改訂した。

あらすじは、ボンベイのスラムでいわゆる不可触民(Untouchable)として育った主人公のアカーシ(Akaash)が、ボリウッドスターになり、高カースト出身の映画ディレクター、プリヤ(Priya)と恋に落ちるというもの。

無駄な「サイドショー」が多すぎたことと、インド文化背景への描写が重過ぎた、との批判の多かったロンドン版の反省から、ブロードウェイ版では、主にアカーシに焦点を充てたストーリー展開にしていくようだ。

音楽は38歳のA.R.ラーマンRahman)氏が担当、「今までにこんな良い出来の楽譜は見たことがない。」とはロイド・ウェッバー氏。
ラーマン氏の音楽にマッチした作詞には、ドン・ブラック(Don Black)氏と、デヴィド・ヤズベク(David Yazbek)氏(アメリカ版のみ)が受け持つ。

ニューヨークタイムズのレポートによれば、スポンサーの悩みは何と言ってもこの公演が予算をカバーできるかということ。
ロンドン公演では4.2ポンド(およそ760万ドル)、3分の2はロイド・ウェッバー氏による投資であった。
ブロードウェイバージョンでは1400万ドルの費用がかかっている。

ロイド・ウェッバー氏によれば、ロンドンの観衆の大部分を占めていたのは南アジア系だった。
「ロンドンのアジアンコミュニティ抜きにしては、公演は3週間で終わっていたかもしれない。」
しかし今回のブロードウェイ公演では、「おそらく夜間の部に訪れる95%の観衆はアメリカ人となるだろう。」と予想している。

しかしながらブロードウェイ版では、南アジア人観衆に頼りきることはできない。
ニューヨーク市のインド系住人の人口は、およそ24万1000人とされ、ロンドンの43万7000人と比べると半数以上落ちる。
加えてロンドンにはバングラデシュ、パキスタン系住民も多く存在する。
最重要目標は、非南アジア系観衆を、いかに早く獲得するか。
ロイド・ウェッバー氏は、アメリカ人が「ミュージカルから異文化を知る」体験に興味を示していることに期待している。

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複雑なカースト問題を、ミュージカルで体現する試みには、多大な苦労があると思います。

 


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