インド総選挙:ソニア・ガンディー氏圧勝
2004.5.14(金) BBC News
& 毎日新聞
インド総選挙の開票結果で、イタリア生まれのソニア・ガンディー氏率いるコングレス党(国民会議派)が、8年ぶりに第1党の地位を獲得した。
次期首相にガンディー氏が就任するかどうかは、まだわかっていない。
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得票数は序盤から、現首相アタル・ビハリ・バジパイ氏主導のBJP党(インド人民党)を大きく引き離した。
バジパイ氏は経済成長やパキスタンとの平和強調へのこれまでの実績を前面に打ち出していたが、電気、水道、衛生整備に手が回っていないなど、貧困層の票へのアピールが足りなかったと見られる。
国営放送に出演したバジパイ氏はこの結果を真摯に受け止め、インドの強い民主主義の体現であるとコメントした。
「わたしの党とその関係組織は敗北したかもしれないが、インドは勝利したのだ。」 |
一方今回の選挙では早い段階から勝利を確信していたソニア・ガンディー氏は、コングレス党が安定した政権を築くことを約束。
次期首相就任への是非については、(最大の議席数を獲得した)コングレス党員が決定することだとして、コメントを控えた。
就任へ向けての今後の決議などは、14日から始まる連立協議の行方を待つとしている。
パキスタンとの関係
ガンディー氏は、コングレス党は今後、バジパイ氏が築いた1月以来進行中のパキスタンとの平和関係を引き継ぐと宣言。
「ごく初期には、コングレス党もバジパイ氏のパキスタンへのイニシアティブをサポートしていました。」
ガンディー氏。
パキスタン側も両国間の平和友好プロセスを継続して行っていきたいと表明。
「平和への願いは個人のものではない。」
情報相シェイク・ラシド氏は語った。
3週間におよんだ選挙で、3億8000万人近くの有権者が投票所を訪れた。
開始6ヶ月前から、パキスタンとの平和協調、経済成長における実績を前面に打ち出し選挙戦に臨んだバジパイ氏。
内閣での最後の会議を終え、アブドゥル・カラム大統領に辞表を提出、首相官邸を去った。
内閣はバジパイ氏のリーダーシップを称えた。
「彼はわたしたちのキャプテンとして、国の発展に大いに貢献した。」
79歳という年齢から、大方の意見では今回でバジパイ氏の60年に及ぶ政界でのキャリアから事実上引退するであろうとみている。
「歴史と国民が、わたしたちがこの時代にしてきたことを判断するであろう。」
インドのリーダーとして、最後のコメントをこう残したバジパイ氏。
今後は党内ナンバー2とされるアドバニ副首相がBJPを主導していくと見られている。
ガンディー時代
ソニア・ガンディー氏は、外国生まれであることから政界での活躍は比較的期待されていなかった。
しかし、コングレス党の選挙活動は、ネルー・ガンディー第4世代にあたる彼女の息子ラフール氏の参加により活気付いた。
ラフール氏は、父であり前首相の、今は亡きラジヴ・ガンディー氏が過去に議席を獲得した、北インドの町アメティにおいて10万票を獲得して勝利した。
コングレス勝利がニュースで報道されると、デリーではダンス、花火と大騒ぎとなった。
鍵を握るとされた南部の州、アーンドラ・プラデーシュおよびタミル・ナードゥでも、予想外の圧倒的多数の議席獲得を果たした。
しかしながら、2年前反ムスリム勢力による暴力が激化していたグジャラート州では、26議席中12議席しか獲得できなかった。
BJP党によるこの州の暴力追放への努力が、継続されることが期待されたためだ。
現在までにわかっている総選挙結果
BJPおよびその関係党: 182議席
コングレスおよびその関係党: 215議席
その他: 136議席
政権獲得に必要な議席数: 272議席
選挙に関する数字
28州543選挙区
6億7500万人の有権者
投票マシーン100万台
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なんと言っても国際結婚して外国から嫁に来て、今まさにインドのリーダーとなろうとしているソニア・ガンディー氏の存在は大きいです。
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