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マハーラシュトラ医療ツアー
2004.2.14 BBC News

先進国からインドへ癒しを求めてやってくる旅行者の定番は、ヨガやアーユルヴェティックマッサージ、というのがお約束だったが、最近は趣向が変わってきているようだ。

マハーラシュトラ州で病気治療目的に州内の病院を訪れる外国人ツーリストたちのための、医療観光審議会(MTC)が発足した。

特にボンベイ(ムンバイ)には設備のよい私立病院の数が世界でもっとも充実しているとされる。
そしてそれらの病院ではヨーロッパやアメリカに比べ、ごくわずかな費用で、専門の外科手術を受けることができる。
すなわちロンドンやニューヨークの最高級病院と変わらぬ上質の環境が、低価格で提供されているというわけ。

例をあげると心臓外科手術にかかる費用は、西欧先進国で平均5万ドルかかるに対し、ボンベイのHinduja病院では5分の1の1万ドル
神経外科やガン治療などで訪れる患者もいる。

MTCはこういった目的で訪れる外国人患者たちのために、交通費、医療費、生活費を含めた「メディカル・パッケージ」なるものの価格設定を行う予定。
「新しい瞳をジュフビーチ(アラビア海に面したボンベイの海岸)に注ごう」といった高級5スターホテルの企画も含まれている。

グローバル化に伴うアウトソーシングの新しいステージとなるだろうとMTCは期待している。

ところで、デリーのある専門家によれば、数少ない私立病院に治療に来るメディカル・ツーリストたちは、インドの医療業界にとっては非常に表面的な現象に過ぎないという。
それどころか、他の大部分の庶民が利用する設備の乏しい公立病院には、インド国内に流通する先端医療機器が平均わずか0.9%しか導入されていないという現実から、与える影響はほとんどゼロに等しいだろう。

直接関わる医師や患者にとっては利益の多いことだろうが、今だマラリアなどで苦しむ患者たちを抱え、また人口に対して慢性的な医師不足に悩むこの国の人々が、この新しい波により受ける恩恵については不透明なことだ。

 


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