デリーに少林寺
2004.6.13(日) The Rediff.com
格闘技はインドでとても人気がある。
もっとも、月300−500ルピーで、近所の公園で手軽に習うことができる。
だがカニシカ・シャルマ26歳は、違う。
中国で有名な少林寺にて技を習得した、史上初、そして唯一のインド人である。
しかしシャルマさんの何がユニークといって、「趣味」と呼ぶべきものを、一大エンタープライズに仕立て上げてしまったところであろう。
シャルマさんは、安定しているかに思われたマーケティング経営のキャリアを投げ出した。
2001年に当時勤めていたリアイアンス(Reliance)での仕事を辞め、格闘技に全ての時間を捧げた。
相当の覚悟だったであろう。
だが今日、いくつかのテレビショー、大盛況のアカデミー、協力者のもとで各学校へのトレーニングセッションなどで引っ張りだこ、シャルマさんの決断は間違いなく正しかったといえる。
シャルマさんの夢のプロジェクトは、今年終わりにインド初のオリジナルな少林寺スクールを始めること。
「子供の頃は、内気で物静かだった。よくブルース・リーの映画を観ていたので、それに影響されて格闘技に興味を持った。また父親から、もっと自信を持つために空手教室へ通うようすすめられ、1987年にチャナキャプリにある師匠マッルガン(Murrugan)の教室に通い始めた。彼は当時すでに黒帯5段で、3年間そこで学んだあと、いろいろ師匠を変えつつ学んだ。」
「空手から離れ、中国式キックボクシング、カンフー、南インドの格闘技カッラリパタヤトゥ(Kallaripatayatu)なども学んだ。これらの経験が次第にわたし自身の性格を変え、自信を持った男になることができた。10歳の時父親からプレゼントされたカセットは少林拳法10の型。わたしはよくこれを観て学んでいた。その頃から、夢は少林拳法の師匠になることになっていった。」
「1999年から2000年まで、オランダでMBAを修得し、また当地で金メダリストとなった。インドへ戻って、リライアンスへ就職。しかしいつも心は仕事になく、100%の情熱を注ぐことができていなかった。5時に仕事が終わると、家までの帰宅路を鍛錬のためにランニングした。しかし自分自身が満足できていなければ、仕事での成功はありえないとすぐに気づくことになった。」
「その頃、テレビのナショナル・ジオグラフィック・チャンネル(National Geographic Channel)で少林拳法のことが放送され、最も偉大な師匠シヘング・ジュン(Shiheng Jun)のことについて知った。すぐさま中国行きを決断し、彼のもとで学ぼうと思い、上司に3ヶ月の休暇を願い出た。だが拒否された。今となっては、あの上司にすごく感謝しているよ。」
「中国では、一般的に週49時間の練習が行われており、大変きつい。また受講料が非常に高い。貯金は少しはあったが、母が大きく貢献してくれた。全てをかき集めて10万ルピーあまりを持ち、2001年、わたしは中国へ旅立った。」
「それからは後ろを振り返ることはなかった。DDバルティ、スタープラス、ナショナル・ジオグラフィックなどのテレビ番組に出演し、アクシェイ・クマールなどと共演して少林カンフーやヌアイ・タイなどをコーチした。」
「BHEL、シーグラム、コカ・コーラなどの企業に赴いて格闘技の技術を伝授することもある。最近デリーのアンドリュー・ガーンジ(Andrews Ganj)で『少林アカデミー』という名の学校を始め、大変順調だ。しかしわたしの最大の夢が、もうじき叶おうとしている。」
「今年10月に、インド初のプロジェクト、デリーに少林寺を立ち上げようと思っている。ここには年間を通して、少林寺から本物の僧侶が駐在する。すなわちわたしの師匠たちが中国からやってくるのだ。」
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夢を追いかけてばかりいる人と、確実に夢を叶えていく人、何が違うのでしょうか。
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