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安いサリーVSビューティークィーン
2004.5.12(水) BBC News
 

昔々、彼女はミス・インディアであり、水泳のチャンピオンであり、アルバイト女優であった。

いまナフィサ・アリ(Nafisa Ali)さん46歳は、故郷カルカッタへ戻り、国会議員として、メインオポジション勢力であるコングレス(Congress)党から立候補している。

アリさんの最大のライバルとされているのは、やはり40代である女性政治家、ママタ・バネルジー(Mamata Banerjee)氏。
コングレス勢力と対立する、トリナムール・コングレス(Trinamool Congress)と呼ばれ、現在政権を握っているバラティヤ・ジャナタ党(BJP)に所属している。

この2人の候補者の対比がとても目立っている。

バネルジー氏はストリートファイターであり、民衆を扇動し、質素なライフスタイルの政治家として、カルカッタ庶民の生活を支える運河のほとりの、粗末な赤レンガの平屋に住んでいる。

安く、くすんだ、時にはぼろのサリーを着ることによって、27年もの間コミュニスト勢力によって統制されてきたウェスト・ベンガル州の若く職のない男女の心に直球で語りかける。

しかし今回ナフィサ・アリさんが鳴り物入りで登場したことで、派手さのないバネルジー氏の地位が危ぶまれている。

アリさん曰く、生まれ故郷カルカッタへ戻り、初選挙に立候補することは喜びだ、とのこと。
この町こそが、彼女が1970年代にミス・インディアとして立候補した場所なのだ。
また、アリさんがエース・スイマーとしてのキャリアを伸ばしたのもこの町だった。

アリさんの街宣ジープは、
「デリーから来た彼女、元スイミングチャンピオン、そして元ミス・ワールド、おっと失礼、元ミス・インディア。あの有名なナフィサ・アリが、あなたの一票をお願いに参りました。」

分析家はアリさんについて、今回の選挙で大きな旋風を巻き起こすことはないものの、ウェスト・ベンガルの有権者たちに顔を知ってもらうためという点では今後につながるであろう、選挙の後の選挙に役立つであろう、としている。

一方アリさんはママタ・バネルジー氏について、
「よくわかりませんが、ママタ・バネルジー氏は『ナフィサに投票するな、彼女はデリーへ帰ってしまう人間なんだから!』と言いふらしているそうです。」
と語る。
ナフィサさんは、自分にラベルをつけて見る人々に、嫌悪をあらわにしている。

「わたしは普通の人間。質素な服を着てるし。高い宝石も身に着けません。外を出歩くこともしなくなったわ。だって報道陣がうるさいんだから。」
と明かした。

さて反対側へ回って、ママタ・バネルジー氏、余裕である。
それもそのはず、前回選挙では20万票を獲得して、見事勝利したのだから。
しかしながら分析家は、ママタ氏の弱点である、彼女の党理念に対する移り気しやすい態度について指摘する。

ウェスト・ベンガルは失業率が高く、教育、医療、インフラストラクチャーが立ち遅れている。
ママタ氏はこういった欠点を、ウェスト・ベンガルを牛耳るコミュニストをこきおろす格好の材料として誇らしげに突っつく。
スピーチでは迫害への警戒をまくし立て、コミュニスト批判はインド首相アタル・ビハリ・バジパイ氏ばりだ。

「彼ら(コミュニストたち)は、わたしが衣服をわざと引き裂いて、反リッチを意図的に演出していると陰口をたたく。そこでわたしは説いたい、『あなた方はそんなきらびやかな衣服をどうしたら着られるのか?』」

ママタ氏は民衆の味方であり、質素な生活への指導者であると自らを主張する。
「夜は寝ません。テレビニュースをあちこちチェックし、絵を描き、文章を書く。飛行機はファーストクラスで飛ばないし、議員手当など請求しません。」

インタビューの日、ママタ・バネルジー氏はナフィサ・アリさんへのコメントに触れもしなかった。
おそらく得票率にかんして負けるはずはないとの絶対的な自信があろう。

明日13日に開票結果が出るが、彼女の自信は本物であることがわかるだろう。

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女性同士の熱い戦いです。


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