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ザ・ロード・オブ・ビハール
2004.5.7(金) BBC News

ビハール前知事ラッルー・プラサード・ヤダヴ(Laloo Prasad Yadav)氏はしばしば、インドで最も治安の悪く、進歩の遅いと悪評の高いビハール州の、王と称される。
牛使いの家系に生まれた彼がビハールの知事にまで登りつめ、この地方に影響力を及ぼす政治家となった。

ヤダヴ氏の政党は、インドの社会ヒエラルキーの底辺にいる、低カーストヒンドゥ教徒のためにある。 

もしも彼の党であるラシュトリヤ・ジャナタ・ダル党(Rashtriya Janata Dal party)が今回の総選挙で健闘すれば、ヤダヴ氏は国会議員になれるかもしれない。

現在ヤダヴ氏は指導者としての地位を正式に持っているわけではない。
しかしながら、インド第2の人口を持つこの州へビジネスをしようとやってくる者は誰でも、ヤダヴ氏に相談しに来るという。

カリスマ的存在から妻をも知事にしたて、数年前賄賂の発覚により失脚後も実権を握り続けている。

「貧しい人々、宗教的少数派の人々の声を聞いている。もしも自分がいなければ、上位カーストの人々がビハールを牛耳り続け、自分たちのような(低カーストの)人々は社会から占めだされていただろう。」
BBCの取材にヤダヴ氏はこう語った。

しかしヤダヴ氏の時代にあって、ビハールの暗闇を救うことはまだできていない。
ほとんど手つかずのままのインフラストラクチャーがビハールを、国の発展の本流から切り離している。
道路、病院、学校...全てが荒れ果てている。

しかしラッルー・ヤダヴ氏は、彼の妻の政権がビハールの現状を改善するために努力をしていると主張する。

だが彼の支持者たちにとって、発展の遅れは大したことではなさそうだ。
なぜならこれらの人々にとって、この州で確実に観察できる宗教ハーモニーが彼に信頼を寄せる要因になっている。
州内では過去15年間、ヒンドゥ−ムスリム抗争が発生したことがない。
これは同じ時期、国中で起こり続けた宗教がらみの暴力沙汰を考えると、大きな長所と言えるだろう。

また、ラッルー・ヤダヴ氏の政権は、確かに最貧民の人々に人権を与えている。
「数千年間、貧しい者は一言の意見も言うことは許されなかった。」
ある人は言う。
「ラッルー氏がそれを変えてくれたんだ。」

ラッルー・ヤダヴ氏の講演活動は常にたくさんの聴衆を集め、多くは彼の乗るヘリコプターを見るだけでも興奮する。
「なぜかって?わたしは彼らの側にいる人間だからさ。」

支持者にとって、ラッルー・プラサード・ヤダヴ氏は社会正義のシンボルである。
ビハールの貧しい人々にとって、数千年間の虐げられた歴史を、ラッルー・プラサード・ヤダヴ氏を通じて変えている気分になるだろう。

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色々な意味で話題の多いラッルー氏、こんなエピソードも。
ある時ビハールの空港建設に関する交渉のために、東京から視察団がラッルー氏に会いにきました。
視察団の一人が、「わたしたちに国際空港建設を任せてくれたら、10年でビハールは東京のようになるでしょう。」と言ったところ、それに答えラッルー氏は、「わたしに任せてくれたら、3日で東京をビハールのようにしてみせます。」


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