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ムンバイの独身女性住宅事情
2004.4.3() The Telegraph

今年のミスインディアの栄冠を勝ち取ったラクシュミー・パンディットさん(左写真)が、巷のゴシップ記事を騒がせている。
理由は以前住んでいたアパートを借りる時、結婚していると管理事務所にウソをついていたため、未婚の女性のみが獲得できるミスインディアの地位に波紋を広げたこと。

でも、これには充分な事情がありそうだ。
ムンバイで、特に郊外で1人暮しをしている女性なら、そのことがよくお分かりだろう。

ラクシュミーさんは以前、ムンバイ郊外のマラド地区で交際相手の男性と一緒に住んでいたアパートを借りる際、契約書に既婚であると記入してアパート管理事務所へ提出、その記録が原因で、今年のミスインディア獲得の資格として「正当ではない」という論議をかもしだすことになってしまった。
昨日、ラクシュミーさんは公式に、「アパートを借りるためのウソだった」と説明した。

そこで取材スタッフがマラド地区からさらに3km北の郊外にあるカディヴリ地区にあるハウジングエージェント15ヶ所を回って調査したところ、ラクシュミーさんがなぜウソをつかなければならなかったのかが、よくわかった。

ムンバイは、あたかもニューヨークばりに女性への気配りをしている都市であるかに評されることがあるが、ことフラット(アパート)賃貸に関して言えば、ブローカーの3人に1人は女性の1人暮し用の部屋提供へ首を縦に振らない。

ボリヴリとカンディヴリの中間に位置し、ムンバイのベッドタウンとして人口の増えつづけるタクール・ビレッジ地区にある不動産コンサルタントで物件の紹介をする男性。
数日前デリーから仕事の都合でムンバイへ赴任してきた女性の問い合わせに、「独身女性にご提供できるフラットはありません。」とハッキリ答えたと言う。

また、マラド、カンディヴリ、ボリヴリ地区には、別のおかしな戦いが待っている。
この地区の住人はグジャラティ出身ヒンドゥ教徒の厳格なヴェジタリアンが多数を占めており、賃貸契約希望者には、カースト、宗教、ヴェジかノンヴェジか、など個人的な質問が投げかけられることもある。

カンディヴリ西にある不動産屋で勤務する女性によれば、独身女性は歓迎されず、さらにムスリムであれば全く望みがないだろう、という事実を明かす。
しかしパンジャビおよびベンガル出身者のヒンドゥ教徒であれば状況はやや好転するという。

コラバ、バンドラ地区などは、比較的コスモポリタンなエリアであるということで知られるが、賃貸料金も跳ね上がる。

サヴィタ・シンさん(匿名)は2年前から映画産業に従事している。
彼女がムンバイへやってきてヴェルソヴァ地区でアパートを借りた当時、始めの2ヶ月間は父親が一緒に暮らし、「隣人への信頼を築いた。」という。
父親が去ってからは、ボーイフレンドが入れ替わり立ち代り同棲し、その度にご近所には「いとこ」ということにしていたという。

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宗教にともなう信条、伝統社会的風潮が大都市ムンバイにも未だ根強く残っているために、今時の女性たちへの風当たりが思いがけず強いようです。

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