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平和が観光客を呼び戻すカシミール
2005.6.1(水) BBC News
分離主義者とインド防衛軍との間の紛争が長年続いたインド領のカシミールには、観光客の姿が徐々に戻ってきている。
美しい景観の広がるカシミール渓谷を目指しやってくる人々の光景は、インドとパキスタンの平和を象徴するかのようである。
州都スリナガルのダル湖の透明な水面には、雪をかぶった山々が涼しげに姿を映し、シカラ(Shikara)と呼ばれるボートがのんびり浮かぶ。
シカラ漕ぎが収入源の、モハンマド・シャフィ(Mohammad Shafi)さん(35)はこの数年、一日わずか80ルピーの収入でぎりぎりの生活をしてきた。
「最近観光客が増えてきたおかげで、400〜600ルピーは稼ぐことができるようになりました。この状態が続いて欲しいですね」
と語る。
昨年の観光収入は、これまでで最高を記録したといい、今年はさらにブームを期待する。
しかしながら、外国人観光客はいまだ伸び悩む。
1989年に勃発した分離主義者の暴動以前には、インドを訪れる観光客の8〜10%はカシミールを目指していたとされているが、現在はわずか1%足らず。
州の観光局長は上記の理由から、年間300万人の外国人観光客のうち、30万人がカシミールを訪れるのが望ましいが、「昨年はたった2万人に過ぎなかった」との現状を訴える。
インド政府も、アメリカ合衆国及びヨーロッパ各国政府に、カシミールへの危険勧告を解除して欲しいと要請。
また、チケットの入手が困難だったり、ムンバイからジャンムーまでの列車が週4便しかないなど、乏しい観光便宜を改善するべく、州政府も動き始めている。
これらの事情を背景にしつつも、日に日に観光客の数は増加している。
そして、ダル湖に面して居を構える一般家庭も、ゲストハウスとして住居を提供してくれるよう州政府は依頼、「観光客が安定して増えてくれば、ホテルの建設への投資も積極的に誘致したい」
観光局長はアピールしている。
また来月には、石窟寺院アマルナツ(Amarnath)へ恒例のヒンドゥ巡礼イベントがスタートすることから、観光客の増加が予測される。
このアマルナツ寺院は標高4000メートルのヒマラヤ山中に位置し、毎年5〜60万人の巡礼者を集める。
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「昔家族旅行でヒマラヤへ行ったことがあるよ。でも今はすっかり行く人もいないだろうね」といった話をよく聞いています。わたしも、しばらくインドに住んでいると、むしろ「このインド世界と全く別のインド世界に行ってみたい」との思いから、カシミールを中心としたヒマラヤ山脈中の土地にとても興味があります。いつになったら旅行へ行けるのか分かりませんが、ヒマラヤは逃げませんから、気長に待とうと思います。
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